八戸のほほん探訪記2013〜じいちゃんの絵を見てきたよ編〜

実家に帰った際、老人介護施設に移った祖母に会いに行きました。住み慣れた自宅を離れ介護施設に行った祖母が、もしかしたら凄く寂しがっているんじゃないかと思って心配していたんですが、思っていたより介護施設での生活を楽しんでいる様でした。娘は生後半年くらいの頃に品川のホテルで祖母と対面しているのですが、流石にお互い憶えていないだろうと思いきや意外と覚えているのか、何だか祖母と娘が楽しそうに会話(?)していて嬉しくなりました。

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その祖母が自宅から介護施設に移る際、母親が祖母の身の回りを整理していたら面白いものを発見したそうで、祖母の元を訪れた際に初めて見せてもらいました。

 

こちらは母親の幼少期の写真で、母親とその兄・姉たちが映っています。母親は5人兄弟の末っ子で、上に兄二人・姉二人がいます。右側で坊主頭の少年に抱きかかえられているのが私の母親です。抱きかかえているのが長男、奥で帽子をかぶっている少年が次男、左側が長女、真ん中が次女です。

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実家に帰ると、頼んでもいないのに母親が私の幼少期の恥ずかしい写真(※極秘です)を持ちだしてきたりするんですが、今回はその母親の写真だったので新鮮でした。

 

 

んで、こちらが祖母の結婚式の時の写真。左が今はとっくに故人の祖父(母方)、右が今回会ってきた祖母です。

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なんでもこの当時はこういう結婚式を挙げれる事自体が珍しいというか、少なくとも祖母の周りではなかなか居なかったそうです。祖父のかけているメガネが何ともクラシカル。

 

 

祖父は昔「挿絵画家」を生業としていたそうで、当時の雑誌等に「田中章介」という名前で活動していたそうです。今で言うイラストレーターでしょうか。結局、家族を養っていくには挿絵画家という商売から手を引くほか無かったらしく、地元に戻ったのだそうです。

こちらが祖父の描いた挿絵が掲載されていた「婦女界W」という雑誌。いわゆる「主婦の友」みたいな雑誌でしょうか、時代を感じます。調べてみたら1910年(明治43年)創刊した、相当歴史の古い雑誌だったようです。

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当時の広告。デザイナー的には先輩になるんですかね、こういう広告のデザイナーって。

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旧漢字で右から左へ読むスタイルが、これまた一層時代を感じさせます。

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「素敵でせう!」とか。
失礼ですが女性の美しさレベルは現在のほうがダントツですねw 間違いありませんwww

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この中の「愛されぬ女」という小説家・美川きよWの読切短編小説の挿絵を、祖父が描いています。

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なんか宝塚歌劇団っぽい。

 

 

挿絵画家を辞めた後も原画を沢山持っていたらしいんですが、祖父の兄弟の方が近所の人にほとんど譲渡してしまったそうで、祖母が少しでもと残った原画を一部取っておいたそうです。こちらが原画の数々。

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だいたいペンか筆で描かれている様です。雑誌の挿絵なので基本的にモノトーンですね。そのせいか色彩に弱く、彩色するのは苦手だったそうです。

ちょっとした歴史資料みたいな感じで、なかなか面白かったです。実家を漁ったらもっと色々出てくるのかも知れません。
親父は今でも油絵を描きますし、母方の祖父が元挿絵画家、母親が元服飾デザイナー…となると、私や弟・妹が子供の頃から美術館だの絵画だのが好きで自らそういうものに積極的だったのは、もしかすると自然な流れだったのかも知れません。

 

まだまだ八戸ネタは続くよ!