制作環境を変えてみた〜Photoshop編〜
By: mario

前回に引き続き「制作環境を変えました」ネタです。

つい最近、PhotoshopをバージョンCS3からCS6にしました。Photoshopが私がメインで使っている写真編集・画像制作ソフトウェアです。(Photoshopについての説明は恐らく必要ないと思いますが、なにげにこのブログをRGBの「あ」の字も知らないような罪なほどに無知な母親が読んでいたりしますので、一応最低限の説明だけ付け加えています)

 

 

PhotoshopのバージョンCS3からCS6ということですから、CS5.5も含めるなら4世代くらい飛び越したことになります。まぁ一応動いていたとはいえ、CS3はMac OSX 10.6 Snow Leopardの時点で正式なサポートを打ち切られていますから、OSX 10.8になっている今となってはCS6への変更は仕方なかった部分もあるかもです。

 

既に沢山のブログでPhotoshop CS6について沢山の情報が公開されておりますので、ここで事細かに書くつもりはないのですが、CS6になってからPhotoshopはかなり様変わりした印象です(っていうか4世代もぶっ飛ばしてれば当たり前)。

まずデフォルトのインターフェイスが黒ベースになりファイルウィンドウがタブ化、Mac版では今まで後ろに何もなかった作業スペースに黒い背景が出るようになりました。

うーん…なんていうか別のアプリケーションを使ってる様です…。このUIにかなり違和感を覚える方が多いようで、昔からPhotoshopを使っているユーザの方の多くが昔のグレーのUIに戻しているようです。

ちなみにUIカラーリングは「Photoshop」→「環境設定」→「インターフェイス」で、アピアランスという項目の中で変更できます。私は意外とこの黒っぽいUIも嫌いじゃなかったのでそのままにしました。

でもタブでファイルを開くのはちょっと嫌だったので、アピアランスの下のオプションの項目で「タブでドキュメントを開く」のチェックを外しました。

 

それにしても、CS3の時は何もなかった背景に黒いのがドーン…これはどうも好きになれません。この方が集中して作業できるのかもしれませんが、個人的には圧迫感を感じてしまいました…。

んでこの背景どうにかならないのかと、色々インターフェイスとか環境設定を見ていたんですが、それらしき項目が環境設定の中に見当たらないのです。なぜ…まさかずっとこの状態なのか…。

と思ったら、環境設定の中ではなく「ウィンドウ」の項目の中にある「アプリケーションフレーム」という項目のチェックを外すことでCS3の時と同様に背景が透過されるようになるのでした。これもインターフェイスの設定じゃないのか…なんで環境設定の中じゃなくウィンドウメニューの中なんだ…。納得いかん…。

 

 

 

まぁ上記は見た目の問題なので、慣れてしまえばどうにでもなるかなと(いや、個人的にはすごく大事なんですけど)。問題は実際の使い勝手の部分ですね。個人的にビックリさせられたのは下記の通り。

【表示モードがひとつ減っている】

Photoshop CS6では表示の仕方を「通常」「メニューありフルスクリーン」「メニューなしフルスクリーン」の3津の中から作業に応じて切り替えることができます。ショートカットでいうと「f」のキーを押すごとに切り替わるアレですね。

通常モード

メニューありフルスクリーンモード

メニューなしフルスクリーン

 

私の場合は、普段は通常モードで作業し、枠外にはみ出すようなオブジェクトを編集するときはメニューありフルスクリーンモード、画像全体をサクッとプレビューしたい時などはメニューなしフルスクリーンモードを使います。

「なんだよ、じゃあ足りてるじゃねーか」という事になりそうなんですが、CS3では「メニューありフルスクリーン」モードの中にさらに2つ、「ファイルウィンドウを固定で表示」「ファイルウィンドウをスクロールに応じて移動」的なモード(正式名称じゃありませんw)があり、合計で4つのモードがあったんですね。

レイヤーを枠よりはみ出させて変形させたりする場合「ファイルウィンドウをスクロールに応じて移動」的モードだと、拡大時にマウスの位置に応じてスクロールしてしまい、意図した以上に巨大化して結局やり直さなきゃいけないことがあったわけです。その時は「ファイルウィンドウを固定で表示」的モードだと、そういった間違いが起きにくくてよかったんですね(ちょっと伝わりにくいですが…)。

CS6ではこの「ファイルウィンドウを固定で表示」モードが取っ払われてしまっていました…。だから時々レイヤーが異常にでかくなって慌ててescボタンを押したりしている私がいるのです…。

 

 

【調整レイヤーが属性パネルに統合された】

トーンカーブや色相・彩度の調整レイヤーを使用するとき、調整レイヤーのパラメータをいじる項目が右側の「属性パネル」の中に統合されました。

以前は調整レイヤーを編集する時、こんな感じでポップアップ表示されたんですが。

CS6ではこんな感じで属性パネル内に表示されます(レイヤーを直接編集する場合は当然ながら従来通り)。

邪魔にならないし、調整レイヤーを選択しただけですぐにパラメータ編集できるので、これはこれで良いと思う方も多いのかもしれませんが、どうも操作的に以前と違ってくるので混乱します。個人的に特に辛いなーと感じたのは、ショートカットの変更でした。

トーンカーブの場合、カーブのRGB・R・G・Bの各チャンネルを切り替える際のショートカットが

CS3の時は

  • RGB:command+^
  • R:command+1
  • G:command+2
  • B:command+3

だったんですが、CS6では

  • RGB:option+2
  • R:option+3
  • G:option+4
  • B:option+5

に変わってたんですね。

一度慣れていたものをもう一度変えるというのは結構しんどいです…。なんか微妙に押し慣れてないし…。これもインターフェイスの設定のように以前と同じようにしたいなーと思って調べたんですが、どうも出来ないのか情報にはたどり着けませんでした…。もし情報を持っている方がいらっしゃいましたら是非教えて欲しいです。

 

 

【切り抜きツールの使い勝手が全然違う】

個人的にはこれが一番面食らいましたかね…。

例えばこういう画像があったとして、これを正方形に切り抜くとします。

以前ですと画像の上に切り抜き範囲を描画して切り抜いていたんですが、CS6では元画像を変形させて切り抜き範囲を設定します。下記の画像ではわかりにくいかもしれませんが、切り抜き範囲を設定するために後ろの元画像が回転・縮尺されているのがわかると思います。

こっちの方がいい!という方も多いのかも知れないんですが、私個人としてはちょっと今までと違いすぎてやりづらかったので、切り抜きツールのオプションメニューにある「クラシックモード」にチェックを入れて、使い勝手を以前のものに近づけました。

これで切り抜きする際に、従来のように元画像ではなく切り抜き範囲を変形させて設定可能になります。

 

しかし!

CS3では切り抜きサイズを数値で指定する際に、切り抜きツールを選択→tabキーを押すことで、切り抜きツールのオプションメニューにある数値設定にカーソルを合わせることが出来たのですが

CS6で同様の操作を行うとツールメニュー等が隠れる、つまり切り抜きツール非選択時と同じtabキー操作の挙動をするのです。

もちろん、上部にあるオプションメニューの数値欄にマウスポインタでカーソルを合わせれば指定できるのですが、複数の画像をパカスカと切り抜いていくには不便すぎます。一度キーボードに置いた手はなるべくマウスに行ったり来たりせず、キーボード上で操作がしたいのです。

ウムム…しかしショートカットらしきものも無いしなぁ…

やはりいちいちマウスカーソル合わせるしかないのか…それともプリセットに保存しまくってコンテクストメニューで出すしか…カチッ

切り抜きの選択範囲を示す点線の状態でreturnキーを押すと、上記のように切り抜き範囲を変形させる実線に切り替わります。

その時!

あれ!?

なんかショートカットらしきアルファベットが出とる…サイズと解像度がR…だと?

 

おしてみました

でたあああああ!!!!!!!!!

 

どうやら切り抜きツールの切り抜き範囲変形モードにしたあとでRキーを押すと、上記のようなサイズ指定のウィンドウが表示されるらしいです。これでキーボードで操作できる!

っていうか

操作方法かえんなよおぉぉぉぉお!!!!!!

 

 

まぁ…なんというかですね。新機能云々かんぬんは良いとして、こういった操作面での仕様変更が結構あったように思います。調整レイヤーの統合とか、できればインターフェイス同様に旧式の操作方法を選べる余地を残しおいて欲しかったなー的な…。

まぁ進化といえば進化でしょうから、これに慣れていくしかないんですけどね。

 

なんか文句ばかりの内容になってしまいましたが、新機能(特に修正ツールのコンテンツに応じてとか)はすごいなーと思うものも多いですし、CS3と比べて全体的に安定した気もしました。