香りの話〜スメルズ・ライク・サンダルウッド

あのNIRVANAの大ヒット曲「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」の「ティーン・スピリット」とはデオドラントの名前だそうで、当時カート・コバーンが付き合っていた彼女がこのデオドラントを使っていて「カートはティーンスピリットの臭いがする(Kurt smells teen spirit)」と揶揄された事が曲名の由来となったのだそうです。

男性からティーンスピリットの臭いがするのは「高い香水を買えない安物のデオドラントをつけている女と付き合っている」という皮肉として使われる意味合いもあるようです。

 

それはさておき、今回はブログに書いたことの無かった「香り」の話です。

我が家では時々お香を焚いています。私が大学生時代にクラブのオールナイトイベント等に遊びに行っていた頃、クラブでは様々な香りのお香が焚かれていて上京した田舎者の私には何とも「クール」な空間に思えたのです。当時ライブハウスではあまりお香を焚いている所は無く、ライブハウスが大抵23時までには終わってしまうのに対して、クラブは朝までやっていたことも相まって

「なんかクラブって大人っぽくてクールじゃーん?」

という変な勘違いをしたものでした。

その勘違いは私だけでなく周りの友人もそうで、部屋を暗くしてブラックライトを当ててみたり、部屋の片隅にはビレッジバンガードなんかで売ってるミラーボールやカラフルな照明器具が置かれていました。

友人曰く「女が来た時に雰囲気出るじゃん?」との事でしたが、今思い返せば洗濯物が干された狭いワンルームで「何が雰囲気出るじゃん?だ」とついツッコミを入れてしまう話です。

 

そうは言いましても、大学生時代なんてのは勘違いの連続であります。男子も女子も勘違いしまくる時期なのです。
そこで私が手を出したのが「お香」でした。

私が最初に買ったのは「チャンダン香」と呼ばれるスティックタイプのお香。いわゆる様々なクラブでも特に人気のタイプのあま~い香りが特徴的なお香です。こいつを一日中ひっきりなしにガンガン焚いてたお陰で、アパートで私の部屋だけが古着屋か危ない宗教の集会所みたいな雰囲気になっていたのでした。

「チャンダン」とはまさしく「ビャクダン(白檀)」のことで、ついでに言うと「サンダルウッド」というのもビャクダンのことです。つまりこれらは全て同じ物を指すんですね。そのくせ同じメーカの同じブランドで「チャンダン」「ビャクダン」「サンダルウッド」と、それぞれ 別の商品として売られていて香りもちょっと違うというラインナップでした。謎。

 

時を同じくして、女の子にモテたいがために私は香水までつけ始めるのです。当時流行っていたのは「ウルトラマリン」とかでしょうか。確か流行りのタレントか誰かが使っていて、女の子たちが「ウルトラマリンっていいよねー♪」とか話しているのを聞き、よし!と思い立って

私「香水のウルトラマン下さい!」

店員「ウ…ウルトラマン!?」

なんて事をやったりしたのでした(事実)。
ちなみにウルトラマリンはお店で赤っ恥をかいたのと、周りがウルトラマリンだらけ(←みんな踊らされている)だったのでやめました。

 

いつしか大人になって頑張って香水をつけるのも面倒になり、たまーにお香を焚くくらいだったんですが、最近になってまたお香・香水が復活しました。たぶん、本能的に加齢臭対策してるんだと思います。

まだ加齢臭はしません、念のため

 

 

んで、我が家で使っているお香はこちら。「松栄堂」さんの「堀川」というお香です。


彼ではありません。
hori

このお香に出会ったのは、まさしくSOU・SOUのお店でした。SOU・SOUのお店で使っているのが、こちらの「堀川」だったんですね。名前が名前なんで香りがイメージしずらいですが、要はビャクダンです。甘めでスッキリした香りですが、他のビャクダン系のお香に比べてやや上品でまろやかな気がします。
なんとなくリラックスしたい時とか、娘がウ◯コした時なんかに出動します。

ここ最近は原材料の良質な白檀の入手が困難で価格が高騰しているらしく、販売価格もググっと上昇してしまいました(レビュー欄でそんな事情も知らないのか安直に販売元批判をしている人もいますが…)。それでも他のビャクダン香には無い良さがあるので、買い続けています。

 

 

んで、最近私が入手した香水がこちら。香十の「オードトワレ サンダルウッド」です。多分、本当は女性、それもやや年配の女性の方が使うような香水なんだと思います。
kouju

つい最近まで香水をつけてなかったんですが、ふと香水つけようかなーと思いたち買いました。

しかし、ご存知の通り私の普段着はSOU・SOUのいわゆる「和服」なんですね。別に香りなんて好きなもの付ければ良いとは思うのですが、

和服でウルトラマリンの匂いとかどうよ?

とか考えたら、やっぱり和風の香りのものがいいよなーと思った次第です。花火大会の浴衣・甚平を着た若いギャル男とかならまだしも、オッサンですし。

 

和風といえばお香…それもできれば「堀川」のような白檀の香りで…と、探し求めてネットを徘徊していて見つけたのがこちらの「オードトワレ サンダルウッド」です。同ブランドの「ムスク」と迷いましたが、嫁の反応でこちらにしました。白檀の甘い香りは堀川と共通ですが、こちらの方がやや枯れた雰囲気がある気がします。ちなみにそれほど強く香る感じではなく、トップノートも優し目です。
他にも評判のよさそうな和風香水や昔ながらの練香なんかも見つけたのですが、価格や手軽さなどのバランスを見て一番現実的なのがこちらでした。

ちなみに「香十」はもともと歴史ある老舗のお香の取り扱い店で、本来香水のブランドではありません。そのためか、実物を見に銀座の本店を訪れた時も香水取り扱い店とはかなり違った趣でした。

 

 

香りなんて別に生活必需品でもなんでもないんですが、香りを楽しむというのも生活が豊かになっていいですね。

 

だが香水つけすぎで電車や飲食店に入ってくる奴は許さん

やっぱりトップ・ミドル・ラストと楽しまないと損ですね。常にトップノートみたいな人は隔離するべきだと思います。妊婦さんとか本気でキレていいと思います。