今回も前回に引き続きオムニバスCD「ザ・一発屋」のレビューです。

今日は5曲目に収録されたザ・ナックの「マイ・シャローナ」という曲です。

前回・前々回と80sらしいシンセ全開なポップチューンでしたが、上記の動画の通り今回はロック!です。自分が初めて聴いたのは、中学生の頃にやっていた深夜の音楽番組か何かだったと記憶しています。

このザ・ナックというバンド、「ビートルズの再来」という触れ込みでプロモーションされたというだけあって、PVの撮り方といい衣装といい髪型といい随所に「ビートルズっぽさ」を出しているんですね。
しかし…なんというんでしょうか、やはり出身が「アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス」という事が影響しているからなのか、なんといいますか

やけに明るい

ザ・ナックに限らず、LA・サンフランシスコに代表されるアメリカ西海岸の音楽はどこか明るく陽気な雰囲気を持っていることが多いと思います。カリフォルニアの気候が一年の大半が晴れで湿気も少なく、冬でも平均気温15度前後という、まさに過ごしやすい風土だからなんでしょうか。
明るい曲でもどこかウェット感の残るUKロックの雰囲気に似せても、どことなく妙に底抜けな明るさが見え隠れする気もします。いや、別にいいんですけどね。

 

「ウェット感を出してるけど、どこか底根で明るい」といえば、最近もそんなバンドに出会いました。
ザ・ナックと同じLA出身のガレージロックバンド「フィドラー」です。

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最初にiTunes Music Storeで試聴したんですけど、その時はアーティスト写真なども解説などの前情報も無しで音楽だけ聴いたのです。PVの映像や写真を見れば「ああ、LAらしいな」と思うんですけど、音楽だけ聞くとどうもLAのバンドにしては線が細い様な印象を受けたので、最初はアメリカのバンドだと思わなかったんですね。

(どこのバンドだろう…雰囲気的にロンドンやマンチェスターじゃないな…。もしかしたらスウェーデンとかフィンランドみたいな北欧かな…あっちは割と明るさのあるバンドいるからな…。ザ・ハイヴスみたいな感じで揃いのスーツとか着てるのかな…。)

とか思ってたんですが、PV見て

アメリカじゃん!っていうかゴッツゴツじゃん!

音的な線の細さを微塵も感じさせない、とってもピザやポテトが似合いそうなルックスでした。

 

話をザ・ナックに戻します。

一発屋バンドとして名高いザ・ナックですが、実は前々回のMCハマー同様、マイ・シャローナ以外にも「グッド・ガールズ・ドント」がビルボード入りするなど実はそこそこヒット曲も飛ばしているんですね。アルバムに収録されたシングルカット曲以外の曲もなかなかに粒揃いじゃないかと思います。

しかしマイ・シャローナのインパクトが強すぎたのか、マイ・シャローナを超えるヒット曲が出ず1982年に解散します。その後、1998年にフランク・ザッパのバックを務めていたことでも有名なドラマー「テリー・ボジオ」を迎えて再始動しますが、ボーカル・ギターのダグ・ファイガーが脳腫瘍と肺癌を併発、2010年に帰らぬ人となり、バンドも活動停止となりました。
あーなんか書いてて切なくなってきた…。

良い曲も沢山出しながら「一発屋」のレッテルを貼られて終わっていったちょっと可哀想なバンドでありますが、マイ・シャローナのインパクト絶大なそのリフがロック少年だった私に与えた衝撃は凄まじかったです。ロック史の花道を大きく飾るバンドではありませんが、一度聴いてみる価値はあるんじゃないかと思います。

 

 

次回に続く!