予め断っておきますが、この記事には気分を害する恐れのあるいわゆる「汚ネタ」の描写が含まれます。その様な描写が苦手な方や食事中の方は閲覧をご遠慮下さい。また、この記事によって被ったいかなる精神的及び肉体的被害においても、当方は一切の責任を負いませんので予めご了承下さい。
私が現在勤務する会社の最寄り駅、都営三田線・浅草線の三田駅。周辺がビジネス街ということもあり、平日こそサラリーマンやOLで賑わっているものの、土日ともなれば人影はまばらになります。
とある日曜出勤の日。私は普通に仕事を片付けて先輩と一緒に三田駅に向かい、三田線改札近くで浅草線を使う先輩と別れました。
三田駅の階段を下りホーム階へ。
階段を降りきろうとした瞬間、目の前にソイツは現れました。
触れてはいけない!私の本能がそう訴えてきます。
見慣れた姿だけど、明らかに居場所を間違っているソイツ。何故貴様がそこにいる…!?
そう、そいつの名は
ウンコ
紛れもないウンコ
おお神よ…なぜこのような異形の者を我が目の前に差し出したのですか…
その崩れかけたユルさは連日の暑さによるものか、はたまた産まれ堕ちた瞬間からその姿だったのか。それは知る由もありません。
色はグレーがかった茶色。そんな情報いらないのは分っています。しかし書かざるを得ないッ!それほどの存在感!
その体積もなかなかの大物で、これがドラクエならば新手のバブルスライムかと思うほど。
間違いありません、こいつ絶対毒を持っている…ッ!もしくは麻痺を引き起こす!どちらにせよステータス異常は免れない、そんなルックスです!
こいつ…腐ってやがる
と言いたいところですが、腐るどころかだいぶ新鮮でした。憎たらしいほどに。
そいつが「ウンコ」であると私の脳が認識した時、私と奴との距離は既に50センチを切っていました。しかも下り階段をスタタタと降りてきた勢いがまだ残っています。
イカン!このままでは殺られる!
とっさに私の全神経がフル稼働し、30過ぎの皮下脂肪をため込んだ身体に指令を送ります。
跳べ!!!
浮き上がる約80kgのボディ。私は見事にソイツの頭上を跳躍で越えたのです。
その姿はさながらエアーケイの様だったに違いありません。多分。もしかしたら欽ちゃんの様だったかもしれませんが、この際私のジャンプ姿はさほど重要な意味を成しません。
見事安全地帯に着地を決め、ホームに向かおうとした時。私の視界に信じられない光景が飛び込んできました。
ホームには明らかに足で擦って歩いた跡
落とし主か?その毒牙に触れた者か?
それは分かりません。しかし明らかに奴の身体の一部がホームに点々とあったのです。
延ばすな!!!
心の中で叫びました。しかしその叫びも虚しく、今目の前にある危機は依然としてそこに存在するのです。私は地雷地帯を抜けるがごとく、爪先を使って身体を小さく跳躍させながら何とか電車に辿り着きました。
勝った…私は勝ったのだ……
私は勝利の味を噛み締めながら帰路についたのでした。無事帰宅した私は
あー夕飯カレーじゃなくて良かった
と思いながら素麺を食したのでした。
落とし主は限界だったのかも知れません。本当に本当に辛くて、腹痛と激しい闘いを繰り広げた結果致してしまったのかも知れません。
しかし、これがもし故意だったなら…
それは許されざる事です。人として。
真相は闇の中…
私はこの事件を「三田駅クライシス2013夏」と名付け、永遠に忘れ得ぬ経験として胸に刻み込む事にしました。
最後に、三田駅に勤務されている駅員さん職員さん業者さん。本当に本当にお疲れ様です。