駅のデザインの話

つい最近、小田急線登戸駅のあちこちがドラえもんデザインに変更されておりました。

ホームの駅名を表示する看板(駅名標というらしいです)も。

ホームにある自販機横のゴミ箱も。

その他駅のあちらこちらがドラえもんになっておりました。

登戸駅は藤子・F・不二雄ミュージアムの最寄駅で発車メロディも2011年頃から藤子・F・不二雄作品のものになったんですが、今回駅内が更に藤子・F・不二雄の雰囲気が強くなったのでした。

 

駅のデザインと下北沢駅

駅のデザインといっても駅舎自体のデザインではなく、あくまで駅名標やら発車メロディやらの細部のデザインの話になりますが、こういうのって結構大事なことなんじゃないか?と個人的に感じておりました。そんな事を考えるキッカケになったのは2013年の下北沢駅の地下化でした。

学生時代バンド活動に勤しんだ私にとって下北沢はライブハウスと古着の町で、お上りさんの私は下北沢駅に到着すると車窓から雑多な下北沢の町並みが見えてきてワクワクしたのでした。しかし2011年に地下化して車窓から見える景色は素っ気ないコンクリートの壁になり、駅の雰囲気もどこにでもありそうなものに変わってしまいました。
もちろん踏切問題をはじめ諸問題がクリアされたことや、未だ工事の真っ只中である事情は理解しているつもりです。それでも窓から見えた下北沢の町並みが消えてしまったのは個人的には寂しさを感じずにはいられないことでした。

下北沢駅の乗降車数は地下化したあたりから一気に減少しており、5年間で15%も減ったと言われています。私は専門家ではないのですが、地下化に伴うユーザから見た下北沢駅のデザインが何かしら影響を与えてしまったのではないかと感じています。

 

駅は町のエントランス

東京近郊は鉄道インフラが非常に発達しており、まさに駅がその町のエントランスの役割を担っていると言っても過言ではないと思います。町を一つのお店として考えた場合、お店の雰囲気がなんとなく分かる入り口のお店とそうでないお店どちらに入ろうと思うのか…と考えれば、答えは見えてくるんじゃないかと思います。

これってウェブデザインなんかでも一緒で、サイトにアクセスした際に表示されるキービジュアルやロゴ等はそのサイトのコンテンツを端的に表していると効果が出やすかったりするんですね。例えば「水道 修理 川崎 格安」等で検索した際に、サイトのキービジュアル内に「●●円〜で対応!水道工事!」と川崎近郊の地図と一緒に書いてあったら、離脱せずに料金表や問い合わせ先へと進むと思うんです。それくらい駅のデザインって町の集客に直結してるんじゃないかと思います。

舞浜駅に着いたらホームから見える東京ディズニーリゾートの景色にワクワクするでしょう。大江戸線六本木駅に着いたら黒と金で配色された柱におお〜っ!となるかも知れません。

 

駅のUXデザイン

私はUXデザイナーを名乗っておりませんし、駅のデザインなんてやったこともありませんが(笑)
それでもデザイナーの端くれとして、登戸駅や下北沢駅の例を鑑みるに、駅も単に「使いやすい駅」というUI面だけでなく「ユーザとどう繋がっていくか」というUX(体験)面でのデザインを考えていくのは悪くない選択じゃないかなと思うんです。もちろんコスト面とか色々な制約があると思うので、全部の駅でそういった事を実現していくのは難しいのかも知れないですけど、長期的に見て愛着のある駅を作っていくって良いと思うんですよね〜。