
僕も今年で45歳を迎える。それなりに歳を取った。
そういやよく「四捨五入したら◯◯歳」とかっていうけど、なんで四捨五入するんだろうな。
オッサンの答え合わせ
一体どこからがオッサンかは分からないけど、僕の場合は人から「お兄さん」と明らかに気遣いをこめた言い方をされた時にむず痒さや居心地の悪さを感じてから、自分は明確に「オッサン」なんだと思っている。
オッサンになると、若い頃に不思議に感じていたオッサンらしさの答え合わせをやっている気がしている。
- クシャミがやたらでかい
- → 筋力が衰えて声が抑えられない
- 食事のあとに爪楊枝でシーシーする
- → 歯茎が痩せて隙間が空き食べ物が挟まりやすい
などだ。色々と身を以てその答えを知らされている様な気分だ。
そんな中、「なぜオッサンはボテッとしたスニーカーを履くのか」の答えを、僕は痛みをもって知らされることになる。
ある日唐突に訪れた足の痛み
数年前のある日、足裏に強烈な痛みを感じて立ったり歩いたりできなくなった事があった。思い当たることがなく、何故だろう?と思いつつ数日安静にしていたら自然に治ってしまったので、特に気にせずにいた。こんなことが不定期的に数回あった。
再び酷い痛みを感じたあるとき、四つん這いにならないと移動できないくらい酷いことがあって、ついに病院に行くことにした。
お医者さん曰く、「足底筋膜炎」というやつだそうだ。
足底筋膜炎の詳細はググってみて欲しいが、要は加齢・運動不足に伴う体重増加や筋力と柔軟性の低下から足裏の筋にダメージとして現れたのだそうだ。
お医者さんからは「負担のかかりにくい靴やインソールの導入」を薦められた。
New Balanceのスニーカーとの再会
色々と靴やインソールを探していたところ、ちょうどファッショントレンドにもなっていたNew Balanceのスニーカーが良いらしいと知った。
正直今までNew Balanceのスニーカーはファッション観点でしか見たことが無かった(雑誌か何かで見て矯正靴がはじまりのブランドとは知ってはいたが)。10代・20代の頃なんてオジサンが履きそうな丸っこいスニーカーという印象が強くて、単にスティーブ・ジョブズも履いていたやや高めのブランドという認識、そんなもんだった。
だから今までも、やや細身でシンプルな996というモデルと、セールで何となく買った574というモデルしか履いたことが無かった。
New Balanceのお店に行き、店員さんに足に合ってそうな靴を幾つか進めてもらった。その中でちょうど自分好みの一足があった。
M920

New Balanceの中には「Made in」と呼ばれるシリーズがあって、Made in USAとMade in U.K(表記はMade in England)のものを指す。このM920はMade in U.Kのものだ。
基本UK製のシリーズは細身であることが多いらしいのだが、M920はその中においてやや丸みと幅があってちょうど自分の足に合っていた。なお、この記事の執筆時はもう廃盤のようだ。


このM920が結構良くて、足の負担はもちろん、少しだが腰痛も良くなった。
この経験で僕はNew Blanceの靴を増やしていくことになる。
327

こちらの327はアジア生産のものなので、M920に比べるとだいぶ安価だ。1970年代の古いモデルのデザインをインスピレーションにして現代風にアレンジしたシリーズの一つだそうだ。どでかい「N」のロゴがサイドにあり、それもあって一部のファンからは「ダサい」などと揶揄されるらしいのだが、個人的にはレトロ感があって好きだ。


流石に履き心地はM920には劣るのだけど、安定感があって嫌いじゃない。妻も327を色違いで所有しているのだが、どうやら妻の方が足に合っていたようだ。
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ML610 GTX

こちらは雨の日用に購入したもので、GORE-TEXが使われている。2024年3月に台湾で行われたWordPressの公式イベント「WordCamp Asia 2024」にも履いていった。こちらもアジア生産だがGORE-TEXが使われているとあって価格はそれなりにする。確か2万円ちょっと。


GORE-TEXだからというのもあると思うけど、履き心地はちょっと堅めだ。でもクッション性が無いわけじゃなく、約一週間の台湾滞在をこの靴とともに乗り越え、心配していた足底筋膜炎も大丈夫だったので信頼のできる一足だ。
ちなみにソールはゴツゴツして滑りにくそうな印象だが、濡れたタイルの道では結構滑る。僕は危うく台北駅の前でひっくり返るところだった。
M990v4

僕の手持ちのNew Balanceの中で最も足に合っていると感じるのがこれ。
こちらはMade in USAの定番シリーズ990の一つ。990は初代から現行のv6まで、モデルチェンジを経て6種類出ているのだが、これは4つめに当たるv4の復刻版。見た目も履き心地も6バージョンがそれぞれ別物で好みが分かれる。僕の場合、現行のv6よりこちらが好みだし足にも合っていた。


990v4を購入する時、他にも気になっていたMade in U.Kの991v2やフラッグシップラインのM1500なども履いてみたんだけど、僕の足には完全に990v4がマッチしていた。いずれも同じ27.5サイズ・Dウィズなんだけども、モデルによって随分フィット感・サイズ感は異なる。M1500に至ってはもう明確に合っていない(細くて甲が低い)と思うくらいで、やっぱり靴はちゃんと試着しないと駄目だなと改めて思った。
M990v2

こちらは某アウトレットモールでラスト一足だったもの。隅っこの方にあったのを発見して見てみたら、まさかの僕のサイズで捕まってしまった。2023年の4月頃に復刻で販売されていたものらしい。
後継の990v4に比べるとやや細身で甲もつま先あたりが低いのだが、991v2やM1500のように明確に合っていない感じは無く、気分で履き分けられるレベルだったのでお迎えすることにした(事故)。シューレースは最初の白から付属の黒に替えてある。


正直クッション性など後継の990v4より弱いなと感じる部分はあるのだけど、アッパーのフィット感や見た目の可愛らしさは流石の900番台という感じ。充分第一線で戦える。
New Balanceの靴を履いてみて
スニーカーヘッズの人からしたら随分貧相なNBコレクションを晒してしまった。
オッサンになって足の痛みを軽減するというちょっとカッコ悪い理由で再会することになったNew Balanceのスニーカーたちだけど、オッサンになった今は自分の今のファッションにも合っているし、何より履き心地と安心感がすごい。
今はダッドシューズのトレンドの終わりかけなので、オッサンの僕がオッサンらしい靴を履いているのは別に不自然ではないだろう。いつか若者から「なんでオッサンはボテッとした靴を履くのか?」と疑問の対象として見られることになるだろうけど、それも悪くないなと思ったりする。でも願わくば、今の若者たちが僕の年齢になる頃には足底筋膜炎になる人がいなくなって、ボテッとした靴を履かざるを得なくなるなんてことが無くなれば良いなと思ってもいる。
みんな、柔軟体操と適度な運動はやっといた方がいいよ。

ついでに僕の足の骨の一部は(異常というほどではないが)通常より大きく、ナンヤカンヤあって足の負担が大きくなっているのだと知った。元々足に負担のかかりやすい体質だったのね。