P.S.FAのパターンオーダーシャツを作ってみた

つい先日はるやま商事が運営するP.S.FAで初めてパターンオーダーシャツを作りました。

元々やや腕長な方なので、袖丈が合うシャツ自体が少なくなってしまうんですが、それに輪をかける様に「主流は細身×お腹が出てきた」という出来れば起きて欲しくないトレンドと体脂肪による闘争が勃発しておりまして、いよいよサイズ選びが困難を極める社会情勢(?)となってきていた訳です。

 

 

結局のとこオーダーが一番

スーツにしろシャツにしろ、究極を言えば自分の体格に合うように採寸して作るいわゆる「オーダーメイド」が最も身体にフィットします。当たり前ですが(笑)
既成品の多くはターゲット層の平均的な体格を想定して寸法を設定するのですが、いわゆる「ド平均」とか「既成品でぴったり」という体格の持ち主はそれほど居ないと思います。
オシャレにある程度気を遣う方なら分かると思いますが、色柄だとか素材だとかよりも「サイズ感」って結構大事なんですね。どんなに高級なスーツやシャツを着ていても、サイズが絶望的に合ってないと凄くみっともないんです。逆にブランドや使ってる布地などはそこそこのものでも、サイズがちゃんと合ってればビシっと見えます
既成品で自分に合うものがあれば一番良いのかもしれませんけど、意外とないんですよこれが。オーダーならサイズを探す手間がなくなりますし、ある程度デザインも気に入ったものに仕立てることができます。

首周りと裄丈だけ見て買ってきたら、お腹まわりが気になるお年頃のオッサンには拷問器具のような「スーパースリム」なるアイテムだったりして、電車内で某・北斗のゲンコツの一場面「てめえらに今日を生きる資格はねぇ!」とならないよう、緊張状態で出勤時間を過ごさなきゃいけなくなるだとか、帰りの電車で気を抜いて座っていたらお腹のとこのボタンが職場放棄してヘソがウェルカムエブリバデー状態になったりだとか、そういう苦悩を感じることも無くなるわけですね。

でもフルオーダーメイドとなると結構お値段も廬山昇龍覇®のごとくトントントンと上昇してしまうわけですね。おっそろし!

 

そこでですね、パターンオーダーなわけですよ。きたねコレ。
「パターンオーダー」というのは基本的なデザインや型紙が既に出来上がっていて、採寸した数値に合わせて調整して作る製作方法です。フルオーダーの様に最初から型紙を起こす訳ではないので、かなり安く大量に作ることができます。
今回利用したP.S.FAのパターンオーダーシャツも、なんと「3,990円〜」という激安っぷり!それって通常商品で並んでるシャツと値段変わらないじゃないっすかー!
育児だなんだで何かとお金のかかる所帯持ちとしては非常に嬉しい価格設定なんですがね、あまりの破格さに不安感や警戒感を覚えてしまうってもんですよ。しかし、これは一度利用してみる価値があるかもしれません…。なんか勧めてくれた店員のお兄ちゃんも一生懸命だし(笑)

 

 

P.S.FAのパターンオーダー

というわけで、パターンオーダーシャツを作りに新宿東口のP.S.FAにやってきました。
ちょうど先日パターンオーダーシャツをオススメしてくれた店員のお兄ちゃんがいまして、そのお兄ちゃんに改めて採寸をお願いしました。首周り・裄丈はもちろん、オッサンが気になる胴回りまで!
採寸の時に「あんっ…そこはダメ……もっと優しく…」とか言って、お兄さんの引きつった笑顔を引き出したことは言うまでもありません(※いい子は真似しないでね!)。

P.S.FAのパターンオーダーシャツの場合、まず「首周り・裄丈」の二つを測り、最も近いサイズの形を選びます。その形の中で更に胴回りが細いものから太いものまで5種類くらい枝分かれしており、その中から最も適したサイズを選んで基本の型紙が決まります。

裄丈を採寸している際、お兄ちゃんが「左右はどうしますか?」的な事を聞いてきたので、もしかしたら左右で裄丈を若干変えることができるのかもしれません。ここは突っ込んで聞くのを忘れたので未確認ですが、もし可能であれば、左右で腕の長さが違う人はもちろん、腕時計をする方は時計のぶん短く仕立てる事も可能になりますので、一度確認してみると良いかもしれません(←私が確認してこいって話)。

次に布地の種類を決めます。布地の種類はサンプルファイルを見せてくれるので、実際に布地を触ったりして確かめることができます。
各布地には値段が書いてあり、それがパターンオーダーシャツの基本料金になります。一番安いもので綿ポリエステル混の3,990円綿100%で5040円〜7000円台くらいまであったと記憶しています。今回の場合は綿ポリエステル混の3,990円ベースと、綿100%の5040円ベースの二着を作ることにしました。

その後は衿の形状やカフスの形状等の細かい箇所を決めていきます。
基本料金内で選べるのは大体下記のような感じでした(2013年2月時点での内容です)。

  • 衿型(レギュラー・ロング・セミワイド・ボタンダウン等10種類から選択)
  • カフス(大丸・角落ち・ツインバレル・ショートの組み合わせ等から選択)
  • 前身頃(表前立て・裏前立て・比翼前立て等から選択)
  • 後身頃(サイドタック・ボックスプリーツ・サイドダーツ・ノープリーツから選択)
  • ポケット(無し・ラウンド・角落ちから選択)
  • ボタン(ホワイト・グレー・パープル等11色から選択)

個人的には思っていたより選択幅がある様に思いました。

下記のようなオプションを選択する事もできます。

  • 衿型+1050円(タブホック・ピンホール・ドゥエボットーニ等)
  • カフス+2100円(ダブルカフス・ミラノカフス等)
  • クレリック仕立て+1050円(白生地はブロード・オックス・ツイルから選択)
  • 貝ボタン+1050円(白・茶・黒の三種類)
  • ボタンホール色+525円(ホワイト・サックス・ネイビー等10色から選択)
  • ボタン付糸色+525円(ホワイト・サックス・ネイビー等10色から選択)
  • ハンドステッチ+1050円(ホワイト・サックス・ネイビー等10色から選択)
  • イニシャル刺繍+1050円
  • 縫製+2100円(袖付・本縫い等)
  • 短縮納期+2100円

流石にぶっ飛んだデザインは難しいと思いますが、そこそこ拘れる余地があるんじゃないでしょうか。

 

オーダー・受け取り

今回は二着オーダーしました。両方とも仕事で使う普段使い用です。

片方は折柄付きの白でカフスもポケットも丸で揃え、ボタン・ボタンホールのみよく使うパープル系のネクタイに合わせて色でアクセントを入れ、普段使い用ではありますが、お葬式以外ならオールマイティに使えそうな比較的ベーシックなシャツにしました。ボタン周り以外は大して飾りを入れませんでしたので、選んだ布地は綿ポリ混3990円ではなく綿100%の5040円のものにしました。
オプションはボタンホール色のみで、トータルで5565円です。

もう片方はもっと普段使い用と言いますか、ネクタイ無しでもそれなりに様になるクレリックにしました。選んだ布地は安っぽさが出ないようにストラップ柄入りで、なおかつハンドステッチや比翼前立てにしてデザイン性を持たせ、市販シャツより少し良いシャツ感を出してます(笑)

個人的にクレリックは一種の「可愛らしさ」が出ると思ってるので、ポケットやカフスは角落ちで少しシャープな印象を加えました。基本はモノトーン系の仕上がりなんですが、実はさりげなくボタンをダークブラウン・ボタンホールやハンドステッチをネイビーにして色を少しだけ入れてます。

トータルで6615円です。デザインのオプションを結構入れたので布地代の割には高くなりましたね。

 

オーダーをすると当然オーダー内容の控えをくれるんですが、ここには寸法や使用した型の情報が入っていますので、次回注文する際は採寸しなくても控えを見ながらオーダーできます(体格が変わったら別ですが…)。

発注してから受け取りまではだいたい二週間弱くらいでした。短縮納期オプションでどれくらい納期を短縮できるのかは不明です(笑)機会があれば確認してみたいと思います。

 

着用してみての感想

まずザーッと確認してみた感じですが、非常に良いんじゃないでしょうか。縫製も特に荒いということもありませんし仕立てはしっかりしてると思います。寸法は採寸してますから当然ピッタリなワケですが、この価格でここまでの物が作れるのは結構驚きです。

もちろん布地から相当に拘ってるSCHIATTIみたいなブランドの物に比べると、ちょっと劣る部分も出てくるとは思うのですが…SCHIATTIのシャツは新品で1枚7000円くらいしますので、もうちょっと手軽にコダワリのシャツを…という方には良いかも知れません。

今回は最初ということもあって、ちょっとオプションとか張り切ってしまいましたが、今後は最低価格3,990円にボタンホールカラー+500円とかで何枚か作って、使おうかなと思います。