今年の8月は7日から6日間ほど地元・青森県八戸市に帰省します。なんやかんや3年ぶりの故郷ということもあり、今回はだいぶ前から今年の夏は八戸に行くと気合を入れて計画して来ました。
帰郷に際して母親と色々打ち合わせをしてたらこんな会話に。
私「○○時くらいに八戸駅つくから、そんな感じでよろしk」
母「ちょいちょいちょい、あんたさ、アレでくるんでしょ?」
私「え?なに?アレ…?アレって?」
母「SOU・SOUで」
私「ああ、そりゃ普段着だからね」
母「なるべく地味にしてきて、目立つから」
私「何を今さらwww」
母「だって八戸じゃ浮くからー!」
私「東京でも浮くよwww」
母「 」
SOU・SOUの格好で浮かないのなんてSOU・SOU店舗内くらいのもんです。
とはいえ、お袋も地元で洋服の販売業をやってて周りの目も気になるでしょうから、極力地味にするつもり…つもりです。
ここ最近はTwitterやFacebook・instagram等でもSOU・SOU仲間の方が増えてきました。年齢・性別や出身地も違えば趣味や職業も違うし、選ぶアイテムの傾向も全然違ったりして面白いです。
特に仲良くさせて頂いているO夫妻の旦那様はアイテムが被るのはごく稀ですが、レセプションで出会ったTさんは逆に被りまくり。どっちにしても新鮮で楽しいです。
様々なタイプの方がいらっしゃるSOU・SOUファンですが、大抵の方が「あーそうそう」「あるねー」とウンウンとうなずいてしまう「SOU・SOUあるある」みたいなものがいくつかあります。というわけで、自分と周りのSOU・SOU仲間の方々で話題になったあるあるネタをいくつか。
どこ行っても浮く
冒頭の会話でもあった通り、どこ行っても浮きます。間違いないです。
ただでさえ「和装」というのが珍しいくらいなんですが、いわゆる正統派の着物とは異なるアイテムが多いので和装の中でも浮きます。言ってみればずーっとアウェイの状態です。
むしろ着物姿の方のほうが和服のイロハみたいなものを分かってらっしゃるので「何アレ!?」って反応をする方が多いですね。
SOU・SOUメンズラインは「傾衣(けいい)」といって、歌舞伎の語源になったといわれる人々が首をかしげる様な身なりや行為である「傾く(かぶく)」ことを前提にしているので、まー狙い通りなのかも知れません。時折、あからさまに避けられたり視線を逸らされるのは、それはSOU・SOUじゃなく私自身の問題という事にしておきます。
よく言われるキーワードに「個性的ですねー」というのがあるんですが、果たしてそれは褒め言葉なのか、掛ける言葉が見つからなくてそういう表現で濁したのか微妙に判断つかないところであります。女性に言われる「モテそうですねー」くらいよくわかりません。
やけにオバちゃん受けする
ここはあえて「お姉さま」や「おばさま」ではなく、オバちゃんと言わせて頂きますw
前述の着物姿の方と同じ様に、ある程度着付けとかを知ってる方が多いからでしょうか。もう無茶苦茶オバちゃんに絡まれます。
「何これ?どうなってるの?」「えー?ちょっと見せて?」と始まり、抜き打ち身体検査が始まります。
SOU・SOUのアイテムに「寛衣(かんい)下」というアイテムがありまして、パンツの上にいわゆる巻きスカートのような布がかぶさった構造で、一見すると着物っぽいボトムスがあるんですが、これが格好の餌食になります。
SOU・SOU netshop / モスリン寛衣下
「えーどうなってるの!?見せてくれる!?」と聞いてきたが最後、一言も「どうぞ見て下さい」なんて言った覚えは無いのに、触られ、ピラピラめくられます。
別にめくられても下着が見えるわけじゃないですけど、なんか恥ずかしい。っていうかやめい。
最終的にオバちゃん達の昔話に付き合って開放されます(平均所要時間20分)。
電車の前の座席の人がガン見する
だんだんSOU・SOU姿でいることに慣れてくると足袋を履いていることが日常になってくるわけですが、世間的にはやはり非日常的な光景なんでしょう。なんか前の座席の人が(珍獣を見るような目で)こちらを見ているので、視線を辿ってみたら自分の足元だったなんてことはよくあります。そういう時は多少見やすいように斜め15度くらい傾けてあげたりします。
子供なんかはさぞ興味津々になるかと思いきや、意外とスルーします。というか「靴の先は丸い」という概念を持っているのは大人で、子供は結構すんなり受け入れてしまうのかも知れません。ただし、風靡上下という浴衣風の上下で歩いていると「今日お祭りあるのー?」と言われたりします。
SOU・SOU netshop / 高島縮・京ちぢみ 風靡上下
↑こんなの。上司いわく「どこの祭り会場ですかー」だそうです。
派手の感覚が狂う
特に自分のような全身SOU・SOUな人や店員さんが陥る現象です。
SOU・SOUの柄は、そのほとんどが元マリメッコのテキスタイルデザイナーでもある脇阪克二さんか、NEWS23Xの背景セットや高島屋のお中元などの絵画も手がけた画家の木村英輝さんによるもので、いずれにせよ何かしらパワーのようなものを持って視界に飛び込んでくる柄が多いです。
もちろんポップで優しい柄もあるんですが、ポピュラーなチェックやドット・ストライプといった柄とはかけ離れているので、かなりパンチが効いています。
また色も古来からある日本の伝統色が使われており、結構鮮やかです。「日本の色」というと東山文化に見られる様な侘び寂びのイメージが強く質素でくすんだ色合いの印象を持たれる方が多いのですが、実は室町時代の北山文化や飛鳥・奈良時代の大陸系の極彩色などにもあるように、結構ビビッドな色合いが多いんですね。
こういったSOU・SOUアイテムに慣れてしまっていると、派手とか地味の境界線が一般的なそれと次第にズレていきます。
例えばSOU・SOUアイテムで「派手」と認識される傾向があるのは下記の色柄です。
この辺はSOU・SOUに慣れていても派手な方だと思います。
逆におそらく「地味」と認識される傾向があるのは下記の色柄です。
母親などに言わせると「どっちも派手や」だそうで。
SOU・SOU KYOTO 青山店のS藤さんと「金乱」と「銀灰」とどっちが派手かという話になったことがあるんですが、結局一般的な視線で見ると「同じ」なんですよね。残念無念。
ジーンズが重い…
SOU・SOUアイテムの中でも衣類にハマってしまった方に多く見られます。SOU・SOUに限らず和服は比較的薄い素材のものをベルト等を使わずに着ることが多いので、久しぶりにジーンズ&ベルトを着用したりすると、その重さに愕然とします。
なんだこのゴワゴワ感…動きにくいしズッシリくるし…あ、そういえば孫悟空が天下一武道会の時に重りみたいな衣類を身につけて戦っていたな…これは修行着ってことか…。
ってことは、本気出す時に脱いで戦うわけですね。本気出す時にペロンと。ルパンみたいに。ふぅ〜じこちゃんってな具合で。もう髪の毛逆立って超サイヤ人的な感じで。あそこはミスター・サタンですけど。
あ、下品ですね。つーほー!つーほー!おまわりさんこっちです!僕です!
ジーンズ着て行って帰ってくるだけで苦行のような気持ちになれます。徳が積めちゃうかも!?
っていうか、どこに潜んでるの!?
青山店レセプションの日も、それ以外の日も、SOU・SOUファンの方と出会うたびに決まって話すこと。
「なぜこんなにファンがいるのに街中で出会わないのか」
いや、まぁ「こんなにファンがいる」っていうのも自分たちの周りだけ見て言ってる様なもんですけどね。そういう私も平日はスーツ着て仕事行ってますし。
しかし、それにしたって会わなすぎだろと。あんたら一体どこに隠れてるのよと。金乱なんて300m先からでも見つけられるでしょうよ。私こないだの冬ずっと金乱着てましたよ?遭ったら会釈くらいしますよ?アレ?もしかして避けられてる?いやー参ったなーあっはっは。
そんなんだから街中でSOU・SOUアイテムを身に着けている人に出くわしたら、自分のアイテムが見えるようにして「気づいて!」オーラを発します。気づかれませんけどね、大抵。むしろ近くの人から「なんだこいつ?」的な目で見られちゃったりしてね。さびしんぼ。
それでも嫁にLINEで「今SOU・SOU足袋履いてる人いたよ!」みたいな報告しちゃったりします。何の得にもならない情報ですけど送ります。気分的には芸能人に遭ったよくらいのテンションです。
他にも色々あると思いますが、個人的に目立って感じるのはこんな感じでしょうか。
ところで先日SOU・SOU KYOTO 青山店に行った時に、S藤さんがバックヤードに引っ込んだ際、娘が
「パパいっちゃったー!うえーん!」
と泣きだしたんですね。S藤さんと私の格好が割と近くて身長も同じくらいだから間違えたんですね。きっと。なんか微笑ましい。でもね。
泣いてるお前のすぐ横に立ってるの、実父だから
気づけー。遺伝子とか血とか本能的に感じるアレとか何かあるだろー。
最近、SOU・SOU店内を自分の遊び場と勘違いしているフシがある…